武蔵×ロンドン大(PDP)のブログ

武蔵大学PDP生によるPDP+英語+筋トレBLOG。質問は随時受け付けております。

リスニングができない理由②

 

「listening」の画像検索結果

 

 今回も引き続きリスニングができない理由について書いていこうと思います。3つのステップのうち、

 

②聞き取った音の意味を理解する意味処理の段階。

③単語や文単位の意味を短期的に記憶し、それらをつなぎ合わせて話全体の流れを理解する段階

 

を扱っていきます。

 

 

 『音声知覚の自動化』ができたら次は意味処理の自動化です。いわゆる直読直解って言われているやつですね。日本人は中学・高校での訳読(翻訳しながら読むこと)の影響から、いったん文の最後まで目を通した後、後ろから訳して理解しようとしがちです。みなさんも学校や塾でやったことがあると思います。長文を家で訳してきて先生が一つひとつ見ていくという非効率的で非効果的なやり方を。高校は東京外語大出身の先生に教わっていましたが、そのような人たちでもやるのです。毎回このやり方に「意味あるの?」と疑問に思っていました。

 

 これリスニングのときにやると、聞いた英語の記憶を保持する・それをもとに日本語に訳すという二つのプロセスを同時にしなくてはなりません。脳のリソースはキャパオーバーです。負担がかかりすぎます。意味処理が追いつきません。どうすればいいのでしょうか。

 

 このプロセスの自動化に役立つのが「チャンク(かたまり)リーディング」という手法です。チャンクとは、数個(7個まで)の英単語からなる意味のまとまりのことを指します。ネイティブや英語上級者は無意識のうちにチャンク単位で意味を把握したうえで、英文の理解をしているのです。以下例です。

 

After returning to Japan, /              日本に帰ってきて / 

she taught /                                    彼女は教えた /

at several universities. //                 いくつかの 大学で //

During this time, /                          この間に /

she became involved /                   彼女は関わるようになっ た /

in some UN activities, /                  いくつかの国連の活動に/

which eventually led /                    それはやがて導いた /

to her becoming a minister /          彼女が公使になることに /

at the Japanese mission /              日本の代表団の /

at the UN /                                      国連で / 

in 1976. /                                        1976 年に

 

 このような感じでリーディングにおいてもリスニングにおいても前から読んで理解していきます。複数の語を同時に意味処理することで、文の論理関係を把握する、内容を予測するなど、余ったリソースをより高次なものに割くことができます。

 

 以下のキクタンリーディングはチャンクリーディングをする上でもってこいの教材です。学習用ダウンロード音声とスラッシュ付き英文がついているためです。Webからダウンロードしてぜひリスニング、またはリーディングをマスターしてみてください。